現在の自動車になるまでに

無人自動車や自動運転が研究されている現在に至るまでには数々の成功と失敗がありました。

今回はそんな数々の自動車の歴史の中からちょっと面白い歴史を紹介していきたいと思います。

 

《世界初の自動車が世界初の自動車事故》

 

1769年にフランス陸軍のニコラ＝ジョゼフ＝キュニョーが世界初となる蒸気機関で動く3輪車、キュニョーの砲車を作成しました。

この車は大砲を運ぶために作成されましたが、時速は約3㎞/ｈしか出ず、蒸気機関の水も15分ごとに補充しなければいけないものでした。

しかも、動力である蒸気機関が前輪のところあり、ハンドルが重く操作できなかった為に壁に追突してしまいました。

世界初の自動車は試乗段階で世界初の自動車事故を起こしてしまいました。

日本がまだ江戸時代のころに世界初の自動車事故が起きていたんですね。

《世界初のガソリン自動車は誰が作ったか？》

 

カール＝ベンツとゴットリープ＝ダイムラー

 

一般的に世界初のガソリン自動車を作ったのは、カール＝ベンツとゴットリープ＝ダイムラーの2人だと言われています。
ただし、この2人ものすごく近くで別々に自動車を作っています。

2人が別々ガソリン自動車を作ったのも複雑ですが、作るまでの過程も凄く複雑になっています。

 

エティエンヌ＝ルノワール

 

ガソリンエンジンの原型となったガス式のエンジンを1860年にフランス人のエティエンヌ＝ルノワールが開発し特許を取ります。
ルノワールのガスエンジンは熱効率が悪く原動機としては不評でした。

 

ニコラス＝アウグスト＝オットー

 

1877年にルノワールのガスエンジンを研究していたドイツのニコラス＝アウグスト＝オットーはガスエンジンに4ストロークを組み入れることによって力強いガスエンジンのを作り上げ、4ストロークの燃焼期間で特許を取得します。
現在でもオットーサイクルとして名前を残しています。

 

ゴットリープ＝ダイムラー

 

オットーのもとで働いていたゴットリープ＝ダイムラーは独立してガスエンジンの研究をしていきます。
ダイムラー熱管点火方式の改良型エンジンの開発に成功し、1883年にそのエンジンを木製の二輪車に載せて走行させるのに成功し特許を取得します。

ダイムラーの熱管点火方式に対してカール＝ベンツは電気式の点火装置を開発しました。
ベンツは走れる車作りに情熱を燃やしていたので、エンジンを水で冷やすラジエーターや動力の切り替えを行うクラッチの開発し、1885年にガソリンエンジンで走る三輪自動車の走行に成功し、1886年に全ての装着と共に特許を取得しました。

 

特許の取り合いでしたが、最終的に二輪・三輪自動車の特許を取得したダイムラーとベンツが世界初のガソリン自動車を作ったとされるようになりました。

 

その後２つの会社は合併してダイムラー・ベンツ社となりました。
現在はダイムラー社となっておりますが、メルセデス・ベンツの商品名でベンツの名が残っています。

因みにメルセデスはダイムラーの娘の名前になります。

ダイムラーとベンツ共に自動車の父と呼ばれていますが、実は彼らより何年も前にガソリン自動車を発明した人物がいました。

彼の名前はオーストリア人のジークフリート＝マルクスといいます。
1870年にはガソリン自動車『第一マルクスカー』を作ったと言われています。

何故マルクスが自動車の父と言われていないかというと、彼は何一つ特許の申請はしていないし、自身の口からガソリン自動車を開発したと1回も言ったことがないからです。

ただ、1870年には彼が作ったガソリン自動車が確実にあったという伝説だけを残しました。

 

 

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