もらい事故で等級は下がる?よくある誤解と正しい知識を解説
「信号待ちで後ろから追突された」「駐車中に当て逃げされた」——そんな経験をしたとき、多くの人が「自分は悪くないのに、保険の等級まで下がるの?」と不安を感じます。
もらい事故に関して、「自分は被害者なのだから、自分の自動車保険の等級には影響しないはず」と思い込んでいるケースが非常に多く、実際には思わぬ形で等級が下がってしまうこともあります。
この記事では、もらい事故と等級の関係を基本から丁寧に解説し、「どうすれば損をしないのか」を具体的にお伝えします。自動車保険の仕組みに自信がない方でも、読み終えるころには正しい判断ができるようになるはずです。
そもそも「もらい事故」とは?定義と基本の仕組み

「もらい事故」とは、自分にはまったく過失がなく、相手方の一方的なミスによって引き起こされた交通事故のことです。追突事故や信号無視による衝突、駐車中の当て逃げなどが代表的な例として挙げられます。
一般的には、事故の過失割合が「自分0:相手100」と判定される状況がもらい事故にあたります。被害者側に非がないため、「自分の自動車保険は使わなくてもいい」と考える方が多いのですが、実際の対応はそれほど単純ではありません。
🚗 もらい事故でよく起こる状況の例
交通事故の現場では、以下のような状況が「もらい事故」として扱われることが多いです。
・赤信号で停車中に後続車に追突される
・駐車場に停車中に他の車が接触する
・交差点で信号無視の車に衝突される
・センターラインオーバーの対向車と正面衝突する
・当て逃げにより車体が損傷する
いずれの場合も、法的・保険的な観点では「被害者側に過失なし」と判断されるケースですが、事故後の対応を誤ると自分の自動車保険を使わざるを得ない状況になり、等級に影響が出てしまうことがあります。
📋 等級制度の基本をおさらい
自動車保険には「等級制度(ノンフリート等級割引制度)」と呼ばれる仕組みがあります。一般的には1等級から20等級まで区分されており、無事故・無違反で契約を更新するたびに等級が上がり、保険料の割引率も高くなります。
新規に自動車保険に加入した場合、多くの場合は6等級からスタートします。等級が上がるほど割引率は大きくなり、20等級では保険料が大幅に割引される仕組みです。一方、事故で保険を使うと等級が下がり、割引が減少して保険料が上昇します。
等級が下がると翌年の保険料が上がる仕組みは、多くのドライバーが「なるべく保険を使いたくない」と感じる大きな理由のひとつです。
もらい事故で自分の自動車保険を使うと等級はどうなるのか?

もらい事故の場合、原則として相手方の対物賠償保険で車の修理費用を補償してもらい、相手方の対人賠償保険でケガの治療費を補償してもらうのが基本です。この場合は自分の自動車保険を使わないため、等級には一切影響しません。
しかし問題なのは、自分の自動車保険を使わざるを得ない状況に陥ったときです。たとえば当て逃げで相手が不明な場合や、相手が任意保険に未加入だった場合などは、自分の車両保険や無保険車傷害保険を使う場面が出てきます。
⚠️ 保険を使った際の等級ダウンの仕組み
事故で自動車保険を使った場合、翌年の等級には以下のような影響が出ます。
【3等級ダウン事故】
相手への賠償が発生する事故(対人・対物)での保険適用や、車両保険を使う事故(相手のある事故)の場合、翌年の等級は3等級下がります。
【1等級ダウン事故】
盗難、自然災害(台風・洪水・雹など)、火災、落書きなど、相手がいない形の損害で車両保険を使った場合は、翌年の等級は1等級のダウンにとどまります。
【ノーカウント事故】
人身傷害保険のみを使った場合など、一部の補償は等級に影響しない「ノーカウント」扱いとなります。
もらい事故であっても、当て逃げや相手が無保険のケースで自分の車両保険を適用すると、一般的には1等級ダウン事故として扱われることが多く、翌年の保険料が上がる可能性があります。
🔍 「もらい事故なのに等級が下がった」はなぜ起こるのか
もらい事故で等級が下がる主なパターンは以下のとおりです。
① 相手が任意保険に加入していなかった
② 当て逃げで加害者が特定できなかった
③ 事故直後の対応ミスで過失割合が不利に認定された
④ 自分の車両保険を使って修理した
特に③は現場でよく見られるケースです。事故直後に相手方と示談を急いでしまい、後から「一部過失あり」と認定されることがあります。もらい事故であっても、現場での対応が後の保険交渉に大きく影響するため、絶対に焦らず、まず警察と保険会社に連絡することが最優先です。
等級・割引が維持されるケースとされないケース

もらい事故における等級への影響は、「自分の自動車保険を使うかどうか」によって大きく変わります。使わなければ等級は維持され、翌年も同じ割引率で契約の更新が可能です。
一方、何らかの事情で自分の保険を適用した場合は、等級ダウンが発生し、割引率が低下して保険料が上がることになります。どちらのケースに該当するかは事故の状況によって異なりますので、保険会社への早期相談が不可欠です。
✅ 等級・割引が下がらないケース
以下の状況では、自分の自動車保険を使わずに済むため、等級・割引への影響はありません。
・相手が任意保険に加入しており、相手の保険会社が全額補償してくれる
・修理費用が少額で、自費修理を選んだ
・人身傷害保険のみを使用した(ノーカウント扱い)
・弁護士費用特約を使って相手に損害賠償を請求した
特に弁護士費用特約は、もらい事故の際に非常に役立つ契約オプションです。等級への影響なく使えるため、自動車保険の契約時に付帯しておくことをおすすめします。
❌ 等級・割引が下がる可能性があるケース
以下のような状況では、自分の車両保険や各種補償を使うことになるため、等級に影響が出る場合があります。
・当て逃げで加害者が不明のため、自分の車両保険を適用した
・相手が無保険で自賠責保険しか使えず、車両修理費を自分の保険でカバーした
・事故後の交渉が難航し、一部過失ありの判定で自分の保険も適用することになった
このようなケースでは、たとえ実態上はもらい事故であっても、保険会社の処理上は等級ダウンの対象になることがあります。事故の過失割合と保険の適用方法は連動して考える必要があるため、事故直後に保険会社に状況を正確に伝え、どの補償をどう使うか相談することが重要です。
📊 等級ダウンによって保険料はどれくらい上がるのか
3等級ダウンした場合の保険料の変動は、契約内容や保険会社によって異なりますが、一般的には翌年の保険料が20〜40%程度上がるケースが多いとされています。
さらに等級ダウン後の割引の回復には時間がかかります。1年無事故で1等級ずつしか回復しないため、3等級下がった場合は元の等級・割引率に戻るまでに3年かかる計算です。
つまり、1回の事故で車両保険を使ったことによる保険料の増加額は、修理代を実費で支払った場合よりも高くなるケースも珍しくありません。車両保険を使うかどうかは、修理費用と保険料増加分を比較して慎重に判断する必要があります。
車両保険の使い方ともらい事故での役割

車両保険は、自分の車が損傷した際に修理費用を補償する保険です。事故の相手がいる場合でも、相手が無保険だったり当て逃げされたりした場合に、自分の車両保険を使って修理費用をまかなうことができます。
もらい事故の場面で車両保険がどう機能するか、また等級への影響をどう考えるべきかを整理しておくことが、いざという時の冷静な判断につながります。
🛡️ 車両保険の種類と補償の違い
車両保険には大きく分けて「一般型」と「エコノミー型(車対車+A)」の2種類があります。
【一般型の車両保険】
単独事故(電柱に衝突した、落石で損傷したなど)や当て逃げ、自然災害、火災、盗難など幅広い状況を補償します。もらい事故の際の当て逃げにも適用可能です。
【エコノミー型の車両保険】
補償範囲が狭く、相手が存在する事故(車対車の衝突)には適用できますが、当て逃げや単独事故には適用できないケースが多いです。もらい事故でも当て逃げの場合は使えないことがあるため注意が必要です。
エコノミー型の車両保険しか契約していない場合、当て逃げに遭っても補償が受けられないことがあります。もらい事故のリスクも考慮した上で、自分の契約内容を事前に確認しておくことが大切です。
💡 もらい事故で車両保険を使うべき?使わないべき?
車両保険を使うかどうかの判断は、以下の点を比較して考えましょう。
・修理費用の見積もり額
・車両保険の免責金額(自己負担額)
・等級ダウンによる翌年以降の保険料増加の総額
・修理しないまま乗り続けた場合のリスク
たとえば修理費用が10万円で、翌年からの保険料が3年間で計15万円増加するなら、自費修理のほうが最終的な負担は少ない、という判断になることもあります。車両保険を使うかどうかは「今の修理費」だけでなく「数年後までの保険料総額」で考えることが重要です。
ケースによって異なりますので、保険会社や代理店に相談した上で判断するのが最も安全な方法です。
📝 「もらい事故特約」や等級プロテクト特約について
一部の自動車保険では、「等級プロテクト特約」や「もらい事故割引維持特約」のような名称で、事故で保険を使っても等級が下がらない・割引が維持される特約が用意されています。
ただし、この特約が適用されるには条件があり、等級が一定以上(多くの場合20等級など)でないと契約できないことがほとんどです。また、同一契約期間内の適用は1回限りとされている場合も多い点に注意が必要です。
すでに長年無事故で高い等級を維持しているドライバーにとっては、等級プロテクト特約を付帯しておくことが有効な選択肢になり得ます。保険料や割引との兼ね合いで検討してみてください。
もらい事故後に損しないための実践的な対処法

もらい事故に遭った直後は誰でも動揺します。しかし冷静に正しい手順を踏むことで、等級や補償に関する不利益を最小限に抑えることができます。
ここでは現場での対応から保険会社との交渉まで、実務的な観点でのポイントをまとめて解説します。事故直後の行動が後の等級・保険料・補償の受け取り方を大きく左右することを覚えておいてください。
🚨 事故直後に必ずやるべきこと
① 安全確保・負傷者の救護
事故が発生したら、まず安全な場所に車を移動させ、負傷者がいれば救護を最優先に行います。
② 警察への連絡(必須)
物損事故でも人身事故でも、必ず警察に報告してください。「交通事故証明書」を取得するために必要で、保険の適用にも影響します。事故を警察に届けないと、後の保険手続きがスムーズにいかないケースがあります。
③ 保険会社への連絡
自分の自動車保険会社に事故の状況をできるだけ早く報告します。もらい事故であれば相手の保険会社との交渉は相手が行いますが、自分の保険会社に状況を把握してもらうことが後のトラブル防止になります。
④ 相手の情報を必ず確認
相手の氏名・住所・電話番号・車のナンバー・加入している自動車保険会社と証券番号を必ず確認してください。
「大したことないから」と示談を現場でそのまま済ませてしまうのは絶対にやめてください。後から痛みが出たり損傷が広がったりした場合に、補償を受けられなくなるリスクがあります。
⚖️ 弁護士費用特約は積極的に活用を
もらい事故では、被害者側の自動車保険会社は「相手との示談交渉を代行できない」という制限があります(弁護士法の規定による)。そのため、相手が交渉に応じない場合は自分で対応しなければならなくなります。
そこで活躍するのが「弁護士費用特約」です。この特約は、弁護士に交渉や訴訟の依頼をした際の費用を保険が補償するもので、等級にはまったく影響しません。
弁護士費用特約は月々の保険料が数百円程度のことが多く、もらい事故が増えている現在においては、自動車保険の契約時に付帯することを強くおすすめします。
📌 車両保険を使うかどうかの判断フロー
もらい事故で車が損傷した場合、以下の流れで判断を進めましょう。
STEP1:相手の保険会社から全額補償が受けられるか確認する
→ 受けられる場合:自分の車両保険を使わず処理。等級への影響なし
STEP2:相手が無保険、または当て逃げの場合
→ 自分の車両保険で対応可能か確認する
→ 修理費と保険料増加の比較を行う
STEP3:等級プロテクト特約の有無を確認する
→ 特約があれば適用条件を確認し、使用を検討する
STEP4:保険会社や代理店に相談して最終判断を下す
自分だけで判断しようとせず、必ず保険会社・代理店・整備工場の意見も取り入れた上で決断することが、結果的に損をしない最善策です。
自動車保険の見直しで等級・割引を賢く守る方法

もらい事故はいつ遭遇するかわかりません。事故に遭った後に慌てて対策を考えるのではなく、今の自動車保険の内容が「もらい事故に備えた契約になっているか」を日頃から確認しておくことが重要です。
以下のポイントを定期的に見直すことで、万が一の事故時に等級・割引・補償の面での損失を最小限に抑えることができます。
🔄 契約更新時に確認すべき5つのポイント
① 車両保険の種類(一般型か、エコノミー型か)
② 等級プロテクト特約の有無と適用条件
③ 弁護士費用特約が契約に含まれているか
④ 無保険車傷害保険の補償額が十分か
⑤ 人身傷害保険の補償内容と限度額
自動車保険は毎年の契約更新のタイミングが見直しの好機です。保険料の安さだけに注目するのではなく、もらい事故に備えた補償内容のバランスを意識して選ぶことが長期的なコスト削減にもつながります。
🧮 等級・保険料・割引の変動シミュレーション例
【ケース例:現在15等級で3等級ダウン事故が発生した場合】
事故前(15等級)の割引率:約55%
↓ 3等級ダウン
翌年(12等級)の割引率:約40%
↓ 以降、無事故なら1年に1等級ずつ回復
元の15等級に戻るまでに3年かかる
この間に増加する保険料の合計が、車両保険で補償してもらった修理費を上回るケースも少なくありません。等級ダウンの影響は翌年だけにとどまらず、3〜5年単位で積み上がるため、車両保険の使用は慎重に判断してください。
保険会社によっては「使うと何円保険料が増えるか」を事前に教えてくれる場合があるため、事故後は必ず問い合わせることをおすすめします。
よくある質問(FAQ)
Q1. もらい事故でも、必ず等級は下がりますか?
いいえ、必ずしも下がるわけではありません。相手の自動車保険で全額補償してもらい、自分の保険を一切使わなければ、等級・割引率は維持されます。等級が下がるのは自分の保険を適用した場合のみです。ただし当て逃げや相手が無保険の場合は自分の車両保険を使う可能性があり、その場合は等級に影響が出ることがあります。
Q2. 当て逃げにあった場合、自分の車両保険を使うと等級はどうなりますか?
当て逃げは相手のいない事故として扱われるため、一般型の車両保険を使った場合、1等級ダウンの扱いになることが多いです(3等級ダウンではない)。ただし保険会社や契約内容によって異なるため、事故後すぐに保険会社に確認することをおすすめします。なお、エコノミー型の車両保険では当て逃げに適用できない場合があるため注意が必要です。
Q3. 弁護士費用特約を使うと等級は下がりますか?
いいえ、弁護士費用特約を使っても等級には影響しません。等級ダウンの対象となるのは、車両保険や対物・対人賠償保険などの主要な補償を使った場合です。弁護士費用特約はノーカウント扱いとなるため、もらい事故では積極的に活用してください。
Q4. 等級プロテクト特約はすべての自動車保険に付けられますか?
すべての自動車保険に付帯できるわけではありません。一般的に等級プロテクト特約は、すでに高い等級(多くは18〜20等級)に達しているドライバーを対象としており、低い等級の契約者は利用できないことがほとんどです。また、適用できる事故の回数や種類にも制限があります。ご自身の自動車保険の契約内容を確認するか、保険会社に直接問い合わせてみてください。
Q5. 事故後に保険会社に連絡しないと、どんな問題がありますか?
事故後の保険会社への連絡が遅れると、補償の適用が難しくなったり、相手方との示談が不利な形で進んでしまったりするリスクがあります。特にもらい事故では、後から症状やダメージが判明するケースもあるため、事故直後に保険会社に連絡を入れておくことが非常に重要です。「使うかどうかは後で決める」というスタンスでも連絡だけは早めに行っておきましょう。
まとめ:もらい事故と等級の正しい知識で損を防ごう
もらい事故でも、状況によっては自分の自動車保険を使うことになり、等級・割引が下がる可能性があることをご理解いただけたでしょうか。重要なポイントを最後に整理します。
・自分が悪くないもらい事故でも、自分の保険を使えば等級は下がる
・相手の保険で全額補償してもらえる場合は等級への影響はゼロ
・当て逃げや相手が無保険の場合は車両保険の適用が必要になることがある
・車両保険を使う前に、修理費と保険料増加分の比較を必ず行う
・弁護士費用特約や等級プロテクト特約を事前に契約しておくと安心
・事故直後は必ず警察と保険会社に連絡することが最優先
自動車保険の等級・割引・補償の仕組みを正しく理解しておくことが、もらい事故に遭ったときの冷静な判断につながります。定期的に自分の契約内容を見直し、万が一の事故に備えておきましょう。
ケースによって最善の対応は異なりますので、不安な点は保険会社や代理店、整備工場などの専門家に相談することをおすすめします。
車のことならカーライフアンテナ
カーライフアンテナは、おすすめ車情報・お役立ちカーライフ情報を紹介するカーライフ情報メディアです。当サイトは提携各社のアフィリエイト広告によって収益を得ています。当サイトの記事にて紹介した商品やサービスが購入・登録申し込みされた際に、売上の一部がファミリアクリエーション合同会社に還元されることがあります。
| 屋号 | ファミリアクリエーション合同会社 Familiar Creation LLC. |
|---|---|
| 住所 | 〒413-0101 静岡県熱海市上多賀1065-1262 ビラ自然郷マンションC-304 |
| 電話番号 | 0557-85-3126 お客様専用番号になりますので営業のお電話はご遠慮ください |
| 営業時間 | 10:00~17:00 定休日:土・日・祝 ※メールの返信、発送作業に関しましては定休日でも出来る限り行っております。 |
| 代表者名 | 谷 清和 (タニ キヨカズ) |
| shop@familiar-ex.com | |
| 関連企業 | 《株式会社峰》 HP制作・WEBデザイン・広告運用・ECサイト運用・SEO対策・MEO対策 https://mine003.com/ 《Buzz Brain株式会社》 SNS運用・動画撮影・動画制作・イベント企画 https://buzz-brain.com/ |























