ワイドトレッドスペーサーのデメリット完全ガイド:安全性と法規制の視点から
車をカスタマイズする際、ワイドトレッドの魅力に惹かれる方は多いでしょう。
ホイールの見た目を変え、車体からの張り出しを調整するワイドトレッドスペーサーは、確かに車の外観を劇的に変化させることができます。
しかし、その裏には多くのデメリットが潜んでいることをご存知でしょうか。
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この記事の目次
ワイドトレッドスペーサーとは何か
ワイドトレッドスペーサーの基本構造
ワイドトレッドスペーサーは、ホイールとハブの間に装着するパーツです。
通常、厚さ5mmから30mm程度のスペーサーが一般的で、材質はアルミニウム合金が主流です。
このスペーサーを取り付けることで、ホイールを車体から外側に押し出し、ワイドトレッドを実現します。
スペーサーには純正のボルトでは長さが足りなくなるため、専用の長いボルトやナットが必要になります。
5mm程度の薄いスペーサーの場合は既存のボルトで対応できることもありますが、10mm以上のスペーサーを使用する際は、必ず専用のボルトまたはナットを使用しなければなりません。
ワイドトレッドの目的と効果
ワイドトレッドスペーサーを装着する主な目的は、車の見た目を変えることです。
ホイールが外側に出ることで、よりアグレッシブな印象を与え、迫力のある外観を演出できます。
また、トレッドを広げることで、理論上は走行安定性の向上も期待されます。
しかし、この見た目の改善と引き換えに、多くのデメリットを受け入れなければならないのが現実です。
特に日本の法規制や道路事情を考慮すると、ワイドトレッドスペーサーの使用には慎重な判断が必要です。
ワイドトレッドスペーサーの安全性における深刻なデメリット
ボルトとナットの負荷増大
ワイドトレッドスペーサーを装着することで、ホイールを支えるボルトやナットにかかる負荷が大幅に増加します。
特に20mm以上の厚いスペーサーを使用した場合、ボルトにかかるモーメント荷重は純正状態の1.5倍から2倍に達することもあります。
この負荷増大により、ボルトの疲労破損やナットの緩みが発生しやすくなります。
実際に、スペーサー装着車でボルトが破損し、走行中にホイールが脱落する事故も報告されています。
このような事故は、運転者だけでなく周囲の車両や歩行者にも深刻な被害をもたらす可能性があります。
ハブベアリングへの悪影響
ワイドトレッドスペーサーの装着は、ハブベアリングに対しても大きな負担となります。
スペーサーによってホイールが外側に移動することで、ハブベアリングにかかる横方向の力が増大し、本来の設計範囲を超えた負荷がかかります。
この結果、ハブベアリングの寿命が著しく短くなり、早期の交換が必要になることがあります。
ハブベアリングの交換費用は一輪あたり数万円から十万円以上になることもあり、経済的なデメリットも大きくなります。
サスペンション系パーツへの影響
ワイドトレッドによって変化するのは、ボルトやハブベアリングだけではありません。
サスペンションアームやタイロッドエンドなど、足回りの各パーツにも設計時には想定されていない負荷がかかります。
特に、スペーサーの厚さが15mm以上になると、これらのパーツへの影響は無視できないレベルに達します。
結果として、サスペンション系パーツの早期劣化や破損につながり、車両の安全性を著しく損なう可能性があります。
法規制上のデメリットと車検への影響
構造変更の必要性
日本では、ワイドトレッドスペーサーを装着してトレッドを変更する場合、一定の条件下で構造変更の手続きが必要になります。
特に、フェンダーからタイヤが突出する場合や、トレッドの変更幅が大きい場合は、必ず構造変更を行わなければなりません。
構造変更手続きには時間と費用がかかり、場合によっては数万円から十万円以上の費用が必要になることもあります。
また、手続きが完了するまでは公道走行ができないため、大きなデメリットとなります。
車検時の問題
ワイドトレッドスペーサーを装着した車両の車検では、様々な項目でチェックが厳しくなります。
まず、タイヤとフェンダーの位置関係が重要で、わずかでもタイヤがフェンダーから突出していれば車検は通りません。
また、スペーサーの材質や強度、取り付け方法についても詳細な検査が行われます。
品質の劣る社外品のスペーサーや、適切でないボルト・ナットを使用している場合は、車検で不合格となる可能性が高くなります。
保険適用への影響
ワイドトレッドスペーサーを装着した車両で事故を起こした場合、保険会社によっては改造車扱いとなり、保険金の支払いが制限される可能性があります。
特に、適切な構造変更手続きを行っていない場合や、安全基準を満たさないパーツを使用している場合は、このリスクが高くなります。
日常使用における実用上のデメリット
燃費の悪化
ワイドトレッドスペーサーの装着は、燃費に悪影響を与える場合があります。
スペーサーによってホイールが外側に移動することで、車両の空気抵抗が増加し、燃費が5~10%程度悪化することがあります。
また、スペーサー自体の重量も燃費に影響します。
4輪分のスペーサーの重量は数キログラムになることもあり、これがバネ下重量の増加となって燃費悪化につながります。
ハンドリングの変化
ワイドトレッドによってハンドリングが向上すると期待される方も多いですが、実際にはデメリットの方が大きい場合があります。
トレッドが広がることで、直進安定性は向上する傾向にありますが、一方でステアリングが重くなったり、小回りが利かなくなったりします。
特に駐車場での取り回しや、狭い道路での運転では、明らかな不便さを感じることになります。
また、路面の段差や轍の影響を受けやすくなり、日常的な運転でストレスを感じる場面が増える可能性があります。
タイヤの偏摩耗
ワイドトレッドスペーサーの装着により、タイヤの偏摩耗が発生しやすくなります。
特に厚いスペーサーを使用した場合、ホイールアライメントが変化し、タイヤの外側や内側が異常に摩耗することがあります。
この結果、タイヤの交換サイクルが早くなり、維持費が増加するというデメリットがあります。
また、偏摩耗したタイヤは走行性能や安全性にも悪影響を与えるため、定期的なアライメント調整が必要になります。
経済的デメリットと維持費の増加
初期費用の負担
ワイドトレッドスペーサーを適切に装着するためには、スペーサー本体だけでなく、専用のボルトやナット、場合によってはホイールの交換も必要になります。
品質の良いスペーサーセットは4輪分で数万円から十万円以上になることもあり、初期投資としては決して安くありません。
さらに、構造変更手続きが必要な場合は、その費用も追加で発生します。
行政書士に依頼する場合は数万円、自分で手続きを行う場合でも検査費用や書類作成費用がかかります。
継続的な維持費の増加
ワイドトレッドスペーサーを装着した車両は、通常よりも多くの維持費がかかります。
前述したハブベアリングやサスペンション系パーツの早期劣化により、修理費用が増加します。
また、スペーサーやボルト・ナット自体の定期的な点検や交換も必要になります。
特にボルトの締め付けトルクは定期的にチェックし、必要に応じて再締結を行わなければなりません。
これらの作業を整備工場に依頼する場合、年間数万円の追加費用が発生することもあります。
リセール価値への影響
ワイドトレッドスペーサーを装着した車両は、売却時のリセール価値が下がる傾向にあります。
改造車として扱われることが多く、純正状態の車両と比較して査定額が低くなることがあります。
特に、適切な構造変更手続きを行っていない場合や、安全性に問題があると判断された場合は、大幅な減額や買取拒否される可能性もあります。
これは、長期的に見た場合の大きな経済的デメリットとなります。
まとめ:ワイドトレッドスペーサーを検討する前に
ワイドトレッドスペーサーには確かに見た目を向上させる効果がありますが、それと引き換えに多くのデメリットを受け入れなければなりません。
安全性の問題から始まり、法規制への対応、日常使用での不便さ、そして経済的な負担まで、様々な面でデメリットが存在します。
特に安全性に関するデメリットは深刻で、ボルトの破損やホイールの脱落といった重大事故につながる可能性があります。
また、適切な手続きを行わずにスペーサーを装着した場合、法的な問題に発展することもあります。
ワイドトレッドスペーサーの装着を検討している方は、これらのデメリットを十分に理解し、本当に必要かどうかを慎重に判断することが重要です。
見た目の改善だけを目的とするのであれば、より安全で合法的な方法を選択することをお勧めします。
もしスペーサーの装着を決定する場合は、品質の高いパーツを選び、適切な取り付けと定期的なメンテナンスを怠らないようにしましょう。
そして何より、法規制を遵守し、必要な手続きを確実に行うことが、安全で楽しいカーライフを送るための基本となります。
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